集合数・順序数の年長児実験

1,2,3などの数詞を用いずに年長児が集合数(前から3人)と順序数(前から3番目)を区別して理解できると前回述べました.今回はその時の,数詞を用いない実験方法についてお話しします.

用意したのは,タンバリン,カスタネット,それと横に並べた10個の積み木です.

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幼児は写真の左側に,担任は右側に座ります.

先生がタンバリンを叩いたときは,左端から叩いた拍数個の積み木を,左へ(写真では上へ)ずらすように伝えます.タンバリンを3回叩いたときは,積み木3個を図の上側へずらします.そして,カスタネットを叩いた場合は,叩いた拍数目の積み木1個を幼児の手前(写真では左)へずらすように伝えます.カスタネットを3回叩いたときは,図の上から3番目の積み木1個を図の左側へずらします.叩く回数は5回以下です.

これにより,タンバリンを叩くことは集合数を,カスタネットを叩くことは順序数を表すことになります.タンバリンだけ,あるいはカスタネットだけならほとんどが正しくできると予想するかもしれません.

でも5歳児は素晴らしいことに,実験したのは9人でしたが,タンバリンとカスタネットを一緒に置いて,どちらかを叩いた場合でも,ほとんどが正解しました.各楽器を1回から5回までランダムに叩きましたから,全部で10回調べました.間違えた幼児がいたのは,5回叩いたときと,楽器を換えた直後に限られていました.

5歳児は4以下であれば集合数と順序数の違いをほぼ正確に理解していることになります.しかし1年生の授業の”まえから3にん”と”まえから3ばんめ”では間違えるのです.実験結果は,数詞を用いず5歳児にこの2つの概念を体験させることが可能であることと,1年生にこの2つの概念を正しく教える方法があることを示唆しています.

幼児算数教育研究所

URL    http:///lab-meyc.com

 

 

 

 

 

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